2019年11月30日土曜日

なぜ、あたたかい家を造るのか?~動機編 1/6

 私が建築を目指したのは、高校3年の頃。
大学受験で建築学部を目指しましたが、その目的は単純に自宅を快適な家にしたかっただ
け。
他人様の住環境を良くしたいなどと高尚なことは考えてもみませんでした。

 建築学部を目指つもりだと高校の担任の先生に進路を告げると、「丹下健三みたいになるの?」と尋ねられてもその「丹下健三」を知らない位な建築音痴でした。

 農業を営んでいる両親と祖々母、祖父、祖母、弟二人で住んでいた頃の家は、母屋は先祖代々の古い平屋で屋根は茅葺きに後から鉄板を被せたもの、玄関はタタキでしたし、茶の間を中心とした田の字の座敷ばかりで廊下はありませんでした。
今ならば、田舎の蕎麦屋に移築したら良かった?というような築100年を優に超えた農家の家でしたから、冬、特に寒い!!
建具ばかりの仕切り方ですから、壁の断熱など当然に無く、アルミサッシでないところもあり、隙間風がピュウピュウです。

 結婚してからはアパート暮らしだったので年末などにカミさんと実家に帰ると、ばあちゃん・じいちゃんらが茶の間を石油ストーブ3台ほどで暖めていてくれたのですが、天井が高いこともあり背丈より上に暖かい空気は上がってしまい、周囲の部屋は冷たいために4本引きの帯戸は結露していたのを覚えています。(今思うと、暖房してもほぼ無価値でしたネ。)
炬燵にあたっていても背中はゾクゾク。で、室内なのに皆、ジャンバーやドテラなどを着ていて、カミさんにはダウンベストが贈られる始末でした。

 だから、この家を建て直して、近代的で暖かい家にしたい!と強く思ったものです。
そして実家を建て直すとなった時、カミさんと両親で家族会議をしたときのコンセプトの一番は「暖かい家」でした。
 23年前といえば、「高気密・高断熱」という概念が登場していて、発泡ウレタンや樹脂製サッシ(北海道にしか無かったと思います。)、全館暖房・換気システムを使い、家中どこでも20℃を下回らない家を目指して自分で設計・建設をしました。


 結果、二世帯住宅を完成させて年末に引越しをしたのですが、初年は予定通り全館20℃超えで家中どこでも快適!となり、家族全員薄着で冬を過ごしました。

 この際の欠点は、厳寒時に来客があるとシャツ一枚とかで玄関外まで出てしまうので、
メッチャ寒さを感じる事、という笑い話程度でした。


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