2020年3月23日月曜日

なぜ、あたたかい家をつくるのか?6/6

 新住協で配布しているQpexというソフトウェアがあります。
これは、エクセルをベースとしたマクロソフトで、家全体の熱エネルギーの放出量や部位ごとのエネルギーロスが計算できます。

 壁から逃げていく熱エネルギーはどの位なのか?、天井からは?基礎からは?窓からは?と面積あたりのロスが計算できます。
 このソフトの計算結果から窓からが全体の1/2を占めている事が判り、それまで使用していたアルミと樹脂との複合サッシから枠の全てを樹脂で出来ている樹脂窓に変えたり、壁や天井からのロスを最小限にするためロックウールを30cmもの厚さで吹込むブローイング工法を取り入れたりする事にしました。

 2014年夏、これらを取り入れたモデルハウス22を設計して、翌2015年2月から高気密・高断熱の性能を遥かに超えたという意味で「超断熱」と名付けた展示場をオープンしました。

 このモデルハウスは、南側リビング上に4.5畳程の吹抜を備え、隣にリビング階段というそれまでの北信地域では寒くなってしまい無理だと思われる間取りとしました。
 また、暖房は8畳用のエアコンで1階床下へ吹き込む「床下エアコン」。
太陽光発電システムを搭載すればゼロ・エネルギー住宅となる省エネシステムとなっています。(実際、後にこの展示場を購入下さった方は太陽光発電システムを搭載されました。)
完成したモデルハウスの温度を計測してみると、1階のエアコン温度設定を20℃とすると1階はどこも同じ20℃位。2階の最も低い温度の場所でも18℃位で、全館快適となり、浴室・脱衣やトイレでのヒートショックの心配がなくなりました。
 吹抜下のリビングでも足元が寒いなどということもなくなり、当初の目的の一つはクリアされました。

 もう一つの目標、経済性も、この年の2月の電気代は24時間連続運転でエアコン暖房費が8,000円/月と全館暖房としては十分合格点となりました。
12月~4月までの5ヶ月間の暖房費は8,000円×5ヶ月で40,000円で、太陽光発電システムでの売電額が160,000円程ありますので、差し引き120,000円程/年にプラスとなり、電気代を気にせずに暖冷房が可能となりました。
 因みにこの年の7月下旬から8月下旬まで夏の冷房を同じく24時間運転で行いましたが、その電気代は3,000円弱でした。

 このモデルハウスを契機として、「超断熱」の快適性と健康性、省エネによる経済性が証明でき、大手ハウスメーカー住宅価格の2/3で提供出来るようになりました。
 多くの方に快適に、健康に暮らして頂きたい!とこの「超断熱」住宅を更に進化させています…。

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