2021年11月24日水曜日

超断熱煙突の制作と薪ストーブの幕内へのインストール④超断熱煙突(3重煙突)のDIY前編

  今回は超断熱煙突(三重煙突)のDIY編という事で断熱煙突の話をしたいと思います。

なぜ断熱煙突を自らDIYしようと思った理由ですが

※そもそもキャンプなどの屋外使用目的の薪ストーブの断熱煙突が市販されてない


winnerwellやG-stoveなどのキャンプでの屋外使用目的のストーブには

断熱煙突を使用する概念が無いため市販されておりません。

winnerwellの2重煙突も3重煙突もステンレスが2重3重といなっているだけで

断熱材が使用されておりません。




キャンプで使用する市販されている2重煙突や3重煙突は

幕(テント)を焦がさないようにする目的だけの煙突です。

100度以上にもなる薪ストーブの煙突ですからナイロンやポリエステル生地のテントは

一瞬で溶けてしまいます。せっかく買ったお気に入りのテントが燃えたら泣きますよね。





では、そもそも煙突を断熱する必要があるの?なんて思う方もいらっしゃると思います。

実はキャンプの薪ストーブではなく住宅の薪ストーブでは断熱煙突が主流です。

キャンプの薪ストーブを断熱煙突にしている人なんて今まで一人も出会った事ありません。

つまり私は住宅の断熱の知識を生かしてキャンプの薪ストーブを超断熱仕様に

してみようとあえて考えたのです。

ここで断熱煙突のお話しを3点したいと思います。

①断熱煙突でドラフトを最大限に起こせ
②断熱煙突でタールやススをだすな
③ベル型テントと断熱煙突は相性抜群

①前回の薪ストーブ選びでお話した『ドラフト』をここで御説明したいと思います。

野球の新規獲得選手の会議でもないですし自動車の横滑りさせるテクニックでもありません

建築に関わる人なら誰もが知っている言葉です。コールドドラフトなんて有名です。

冬場の暖房時に冷たい窓の近くでヒヤッとした空気を感じた事ありませんか?

それです。窓で冷却された空気が下降気流になることをコールドドラフトと言います。

ドラフトとは簡単に言うと通風、空気の流れ、気流とでも言っておきましょう。

それでは何故この『ドラフト』が薪ストーブに必要なのかって事なのですが、

このドラフトですが薪ストーブを使用する上で一番大切とも言われております。

ドラフトが最重要課題とも言っていいでしょう。

ドラフトを制する者は薪ストーブを制する


薪ストーブの性能を最大限引き出すためにはこのドラフトを上手く利用する事が重要です。

薪ストーブで暖められた空気は排熱で暖められた煙突によってこのドラフト(上昇気流)

を発生させ煙突の中をどんどんと登っていき最後は外部に排出されます。

何となくイメージできますよね。



そして空気の量に応じて薪ストーブの吸気口からどんどん新しい新鮮な空気が供給され

薪ストーブ内の薪はどんどん燃え続けます。

ドラフトが上手に発生していると薪ストーブの中はずっと風が吹いている状況になります。

逆にこのドラフトがうまく発生していないと空気が煙突上部から外部に排出されずに

屋内やテント内が煙でモクモクになります。かなり目が染みます。

締め切った屋内やテント内で焚火しているのと同じ状況です

煙突も曲がりくねった煙突よりもまっすぐ垂直に上に伸びた煙突の方が

ドラフトも上手く発生します。

曲がりくねった煙突よりも、上にまっすぐ伸びた煙突の方がどう考えても

ドラフトや煙の排出もされますよね。

薪ストーブ選びの時にもお話しましたが、薪ストーブの本体の横出しした煙突よりも、

薪ストーブ本体の上部に煙突がでた方がこのドラフトがうまく発生するのです。


②ドラフトに関連した話にもなるのですが、

このドラフト効果がうまくいってないと薪が不完全燃焼を起こし

薪ストーブの燃焼効率を落とす上にススが大量発生し煙突内にタールが大量に溜まります。

このススやタールですが煙突が急激に冷やされた場合にも発生します。

最悪の場合このタールに引火し煙突火災が起こります。

③ベル型テントと薪ストーブとの相性が抜群とお話しました。


まずベル型テントは天井部分が高いです。天井が高いという事は煙突も長くなります。

薪ストーブ本体からの輻射熱だけでなく排熱する煙突自体からの輻射熱も利用して

幕内をポカポカに暖めることができます。

ですので薪ストーブをなるべく天井が高いポール付近に配置すれば煙突も長くなり

その煙突の排熱の輻射熱を利用し、より一層テント内を暖めることができます。

先ほどお話したドラフトですがこの煙突が長いほど、より一層ドラフト効果が上がります。

まさに一石二鳥です。

ベル型テントやティピー型テントは薪ストーブとの相性が抜群なのはそこにあります。

ちなみにテント内は暖かいからテント内の煙突部分は冷やされないけど

テントから外部に出た部分の煙突はどうするの? 外はマイナス10度だよね?

冷やされるとドラフト弱まるよね? 冷やされた煙突部分はススやタール溜まるよね?

って思いますよね?

そこでついに超断熱煙突(3重煙突)の登場です。

その寒い外部の煙突部分を断熱煙突(3重煙突)にしちゃおうという発想です。

テント内の煙突はあえてシングル煙突にして排熱を利用し輻射熱でテント内部を暖め

テント外部の煙突は超断熱煙突(3重煙突)にしてあげてドラフト効果を高めてあげます。

断熱煙突って普通2重じゃないの?なぜ3重の超断熱なの?

って思う方もいらっしゃると思いますので続きは次回へ。